全国商店街支援センターの商店街ニュースにナカマチ商店街・ナカマチ放送局の取組みが掲載されました
https://www.syoutengai-shien.com/syoutengai/nws-13740/
滋賀県大津市のナカマチ商店街に、4月1日、ミニFMラジオ局「ナカマチ放送局」が開局した。放送は毎日10時から17時で、店のお得情報やイベントのお知らせ、ラジオ体操など地域に密着した様々な情報を発信している。コミュニティカフェやレンタルスペースも併設し、この場を拠点にした新しい形の商店街のにぎわいづくりを目指している。
ナカマチ商店街は、丸屋町、菱屋町、長等(ながら)の3つの商店街の総称で、東西約600mのアーケード商店街だ。かつては200以上の店が連なり活気を呈していたが、現在は約90軒と減少、イベント開催時には盛り上がりをみせるものの普段の人通りは減少している。そこで、毎日ラジオを放送することで持続的なにぎわいにつなげようとの試みを開始することに。資金は、国や市の補助金とクラウドファンディングを活用した。
「3つの商店街にはそれぞれ放送設備が備わっていますが、アーケードごとに流す曲が違ったり、防災訓練でしか使っていない所もあったりと、あまり有効活用できていなかったんです。なので、それを一つにまとめて放送すれば統一感が生まれると思いました。何より毎日放送することで、商店街でいつも何かやっているな、楽しそうだなという雰囲気を作っていければ、そこからにぎわいの輪が広がっていくと考えたんです」と、運営メンバーの栗山誠司 さん (大津市産業観光部・中小企業診断士)は、開局の経緯について話す。
空き店舗を活用して作られたスタジオは一面ガラス張りで、通りから気軽に放送の様子を見学できる。すぐ隣には、人々の憩いの場になるコミュニティカフェと、商店街の出店に向けた挑戦の場としても活用できるレンタルスペースが設けられている。放送は毎日10時から17時で、金・土曜日の10時から12時には生放送も行う。パーソナリティはプロの指導を受けた地域住民ら約10名が担当し、生放送では、認知症についての理解や接し方、美味しい漬物の作り方や包丁の研ぎ方など、日常を豊かにしたり困りごとを解決したりするような番組が揃う。放送はアーケード内のスピーカー、インターネットラジオ、ミニFMの3つの方法で聴くことができる。
「『街のためにありがとう』と嬉しいお声を頂く反面、『番組の内容をもっと充実させてほしい』といった意見も頂いています。頂いた意見をしっかりと受け止め、皆さんに楽しんでもらえる番組をどんどん作っていきたいです。近年は、商店街周辺での子育て世代の人口増加が著しいことから、地域住民のニーズにあった新たな商店街施策を打ち出していくことで、地域のにぎわい創出も見込めます。今後は建物の2階部分も活用し、学生がゼミなどで使用できるようにと考えています。また、小中学生にパーソナリティを務めてもらったり、高校や大学の放送部と連携して番組を制作するなど、もっと若い人が参加しやすい環境も整えていきたいです」と栗山さんは今後の展望を述べる。
ナカマチ商店街では今日も元気な声が響き渡っている。